HYOGO TECH イノベーションプロジェクト

PROJECT募集テーマ

募集締切日
2024/07/14(日)

畜産の環境問題を解決して、南あわじ市が誇る農業の循環サイクルを守りたい!

課題タイプ
  • 単一課題
課題地域
  • 南あわじ市
担当部署
南あわじ市 農林振興課

POINT

解決したい課題

畜産業の臭気の問題が深刻化しており、近隣住民とのトラブル・畜産業の理解を深めることに苦労している。

想定する実証実験

・家畜排せつ物の匂いを軽減できるといわれる「乳酸菌」を給餌し、その有効性及び環境問題の改善へとつながるかを検証する。
・また、乳酸菌の給餌により、糞尿及び糞尿から生成される堆肥等の管理又は処理に関し、労働力の軽減が図られるとともに、経営環境の改善につながるかを検証する。

実現したい未来

・畜産環境問題の改善により、生活環境の問題解決の糸口となり、畜産業への理解を深め、畜産農家の減少抑制(経営の継続)及び新規就農者の増加を図り、畜産業の発展に寄与する。
・当該問題解決を起点として、生産コストの低減や省力化が図られ、経営環境が改善されている。

得られるもの

・同様の課題を抱えている他自治体へ導入される可能性がある。
・南あわじ市ホームページやプレスリリースで協働実証実験の成果を公表することで、新たな取り組み実績としてPRすることができる。

STORY

南あわじ市の農産物(淡路ビーフ・牛乳・玉ねぎ)がおいしい理由知ってる?

 最近、よくテレビや雑誌で目にする淡路のたまねぎ、神戸ビーフ・淡路ビーフ・・・

 それらは南あわじ市で耕畜連携の資源循環システムによって生産されています。このシステムに欠かせないのが、堆肥です。堆肥を使用することで土壌改良がすすみ、作物が育つのに望ましい土になります。

 肥料となり、土壌改良にも繋がる堆肥は、牛の糞から作られます。堆肥を使用した田んぼで稲をつくり、その稲を牛が食べ 、牛の排せつ物である糞が、ふたたび肥料となります。

 このような資源循環が繰り返されることで、おいしい農畜産物が生まれます。この循環システムは、100年以上続く、島の土地に合う効率的で独創的なシステムのため、この伝統を守りたいと思っています。

南あわじの農畜産業に危機が・・・

 昔は、南あわじ市には多くの畜産農家があり、たくさんの牛舎が点在していました。周囲を見渡せば牛がいて、牛の鳴き声が聞こえ、牛の臭いも日常生活の一部として受け入れられていました。排せつ物も野積みされ、特に問題視されることはありませんでした。

 しかし、近年では農家と非農家の混住化が進み、環境問題への関心が高まる中で、畜産農家は深刻な悩みを抱えるようになっています。特に、牛の排せつ物による臭いや管理が原因となり、近隣住民からの苦情やトラブルが増加しています。これは日本全国の畜産農家の共通の悩みでもあります。

 さらには、従事者の高齢化や後継者不足により、畜産農家の数は減少しています。このままでは、この土地独自の資源循環システムが壊れ、南あわじ市のブランドである農畜産物、例えば玉ねぎ、牛肉、牛乳といった素晴らしい作物を生産できなくなるかもしれません。

 南あわじ市の農畜産業の未来を考えると、問題解決の糸口の早期発見が重要であると感じています。

堆肥の臭気の問題をなんとかしたい!

 これまで南あわじ市では、畜産農家の大きな問題や課題を解決するために、意見交換会や検討会を重ねてきました。これらの会議で問題を絞り込み、具体的な対策や解決策について協議しています。参加者とディスカッションし、比較的取り組みやすく、検証できるものとして、臭気対策(環境問題)で意見がまとまっています。

 様々な対策がある中で、特に注目されているのが、乳酸菌を餌に混ぜることで臭いを軽減する方法です。従来の方法では、おがくずや藁を牛糞に混ぜ、何度も切り返す作業が必要で、これは非常に大きな負担となっていました。高齢化が進む中、この作業はますます厳しくなっています。

 しかし、乳酸菌入りの餌を食べた牛の排せつ物は、切り返す作業の手間が1回で済み、労力が大幅に削減されるという結果があります。また、この堆肥を繰り返し使えるため、おがくずや藁の使用量も減らしていくことができるということでした。


 今回、この方法で排せつ物の臭いが軽減され、農家の作業量が減るのかを検証したいと考えています。

南あわじの農畜産業を守りたい!

 畜産業は南あわじ市の代表となる産業のひとつであり、農業生産量では9年連続、近畿NO.1に輝いている耕種農家にとっては、畜産農家は、なくてはならない存在です。農家が困っている臭気問題に対して、解決の第一歩を踏み出すことができるような取組を実施したいと思っています。 100年続いている伝統的な循環型の農業システムを守り、南あわじ市の農畜産業を継続・発展させるために、私たちと一緒にチャレンジしてくれませんか?

Outline

背景南あわじ市の農業においては、「玉ねぎ」や「レタス」をはじめとする露地野菜の産地として、また、「和牛」や「乳牛」を中心とした畜産業が盛んな地域であり、耕畜連携*による循環型農業が約100年にわたり継続されており、2021(令和3年)2月に「水稲・玉ねぎ・畜産の生産循環システム」として、日本農業遺産に認定されるなど、一大産地を形成している。
 2022(令和4)年の農作物の作付面積では、「玉ねぎ全国4位」「冬レタス全国1位」「春レタス全国2位」、また、農業産出額においては、約250億円と、2014(平成26)年以降9年連続近畿圏内1位となっている。
 一方で、畜産業においては、従事者の高齢化、後継者不足に加え、昨年度の暑さを含めた異常気象、また、コロナ禍・ウクライナ情勢・世界的な人口増加による需要変動を要因とした円安の進行、燃油・飼料等の高騰などを要因し、畜産業からの離職が進み、後継者不足が進んでいる。
 加えて、地域コミュニティの希薄化の進行により、町中にある畜舎における匂い等環境問題が多発し、畜産農家においては多大な苦労を強いられている。
*「耕畜連携」とは、耕種農家(作物を栽培する農家)で生産した飼料作物を畜産農家に提供し、その作物を食べた家畜から出たふん尿で作ったたい肥を畑に戻し、飼料作物や農産物の生産に役立てる取組
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/shiryo/koutiku_rennkei/portal.html
課題(詳細)本地域の畜産業においては、これまではどこの家にも牛がいて「当たり前の匂い」であったが、世代交代や移住者の定着・地域における混住化の進行、環境問題への関心の高まり等を背景に、近年「不快な匂い」として、畜産農家や行政に苦情が寄せられ、トラブルとなるケースが発生している。
 本地域の強みである農畜水産業を活かした産業活性化を目指すなか、環境問題の対策を実施することで、農畜産業従事者と周辺住民が共存共栄する地域社会を作りたい。
求める解決策・家畜排せつ物における「不快な匂い」の軽減
・検証結果を「定量的」に示すことで、多くの畜産農家に横展開されるとともに、周辺住民の理解が促進される。
想定する実証実験内容(詳細)①家畜ふん尿の「臭い」が軽減されると言われる「乳酸菌」の有効性の実証
・牛の餌に乳酸菌を混ぜることで、排泄物の臭気を抑制
・「試験区」と「慣行区」に分割した検証を実施
②当該排せつ物から生成される「堆肥」の有用性の検証
③当該排せつ物の処理や保管に関する「労働力」軽減に対する検証
※新しい対策等があれば、ご提案いただきたい。
実証実験成功後の発展性家畜排泄物(糞尿から生成される堆肥含む)の臭気の課題は全国で発生しうる問題であり、他の自治体にも横展開される可能性を有している。
提案企業に求める専門性農畜産業の知識
プロジェクトの進め方打合せ方法打合せは必要に応じて設定、オンライン会議可。
提供可能なデータ・環境等・畜産農家(和牛農家)のご紹介
・畜産農家との連携
プログラム終了後の本格導入・実証実験の結果によっては、本地域における畜産農家への横展開がなされ、各農家による導入につながる。
 ※ 市内和牛農家戸数  :219戸(R5.2)
     〃  飼養頭数 :4,797頭(R5.2)
   市内酪農家戸数   :63戸(R5.2)
     〃  飼養頭数 :2,472頭(R5.2)

南あわじ市 紹介

南あわじ市は淡路島の南部に位置し、恵まれた地理条件と気候条件に加え、高度な農業技術を生かして、同じ土地で年三回農作物を栽培する三毛作が営まれており、甘くやわらかい淡路産玉ねぎは北海道、佐賀県に次ぐ生産地となっています。レタスや白菜、キャベツなどの生鮮野菜の栽培も盛んで、農業産出額は9年連続近畿地方で1位となっています。また、酪農・畜産も盛んで、「淡路島牛乳」などの乳製品のほか、肉牛は「淡路ビーフ」の名で知られ、「神戸ビーフ」「松坂牛」のもと牛になる淡路和牛の生産地でもあります。明石海峡大橋を経て神戸へ約60分、大阪へ約90分距離にあり、京阪神への「食」の供給基地として大きな役割を果たしています。
南あわじ市では、「だから住みたい 南あわじ」を将来像とし、市民がこれからも住み続けたいと感じ、市外の方はこれから行きたい、住んでみたいと感じる魅力あふれるまちづくりに取り組んでいます。

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